別ルートで考えてみた。
ラフレンツェは神話の時代の女性ということでお願いします。
オリオンが半端じゃなく病んでます。
なんかざっくり下のような感じなんだけどどんな場面かは不明。
たぶん前提として
イーリオン逃亡時はミーシャが自分から囮になり二人を逃がした。
オリオンは武術大会後スコルに拾われアルカディア軍に入った。
スコルに着いて星女神の神殿にも行き来し、ミーシャと交流もあった。
スコルがミーシャを手に掛けた時も横で見ていた。
奴隷部隊討伐に協力を要請され参加、エレフを見た瞬間に脱軍。
奴隷部隊に下ったときにエレフの指示で名前を変えている。
こんな感じかと
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裏切りの代償。
それは冥府からの拒絶。
レテの川の水を飲むことも許されず、死んでは生まれ死んでは生まれ。
そして今、俺の名はオリオンという。
子供の頃は同じ境遇への同情と、それでも彼よりうまく立ち回れる優越感から彼の側にいるのだと思っていた。
成長した彼を見て、何故こんなにも強く彼に惹かれるのか直ぐに分かった。
決して手に入らないものに対する絶対的な憧れ。
あぁ、いいなぁ。
あまりにも簡単な理由だった。
いいなぁ、いいなぁ。
彼が身の内に孕む冥府の輝きは俺を魅了して止まなかった。
「エーレフー。違うよ。ミーシャを殺したのは王様じゃないよ?」
「オルフ!?」
「だって俺、見たもん。ミーシャを殺したのは俺に言いがかりをつけたあの赤い髪の男だよ。
まぁあいつがいなけりゃお前との再会にももっと時間が掛かってただろうから、ある意味感謝してるといえば感謝して―」
「どういうことだ!」
「どう…って、何か分かりにくいとこあった?」
「お前は、ミーシャが死ぬのを黙って」
「だから見てたってば。後ろからこう―」
分かりやすいように動きをつけてやろうと右手を挙げたところで殴り飛ばされた。
準備も何もしてなかった俺はストレートに地面を転がる。
や、まあ別に見えてたけどね。
あいつが殴りたいなら他はどうでもいいし。
頬の痛みに触れ(なんて甘美な熱だ)続きを待つ。
それでこれから彼はどうするのかな。
「二度を私の前に姿を見せるな」
言葉を失う暇も無く反射的に答えていた。
「イヤ。俺がお前にどれだけ執着してるかわかってんの?無いものねだりを甘く見るなよ」
あまりにスラスラ言葉が出たので一応言い終わってから考え直してみた。
うん、大丈夫だ。ちゃんと俺の言いたいことだった。間違ってない。
俺を睨むエレフ。
エレフを睨む俺。
睨み合ったままあいつが剣を抜き、俺に向ける。
俺は彼の次の動きを待つ。
一閃の後、俺の頬から赤い血が流れだした。
ピリピリとした痛みと血が肌を伝う感覚が気持ち悪い。
けれどそれが彼に与えられた傷だということだけで俺の心は高揚した。
今日はとてもいい日だ。
「―ならばオルフ。お前は決して私以外に殺されるな」
酷い目つきをした彼は低い低い声で搾り出すように言葉を紡いだ。
「どうしたのさ急に」
「アルカディア王の次はお前だ。この戦いで離れ離れになろうとも必ず私はその傷でお前見つける。
絶対に私が、この手でお前を殺してやる!」
「わ、最高じゃない」
その時こそが俺の終焉。
繰り返しですらない長い長い一本道の行き止まり。
終わりの約束があまりに嬉しくて頬が緩むのを止められない。
舌打ちを一つ残し無言で立ち去ろうとする彼の背中に、ふと、頼まれごとを思い出した。
「そうだ、エレフ忘れてた。ミーシャからの伝言!」
「―!」
「また後でね、って。イーリオンを出るときと彼女が冥府に向かう途中と。両方同じだったよ。」
断言してもいい。
そのときの彼の顔を俺はきっと死んでも忘れないだろう。